【産業政策監調査研究報告】第10号「畑からはじまる心地よい暮らしの集い開催状況」~畑を利用して活動している各団体の活動内容~
最終更新日:2023年03月27日

は じ め に

〇農業体験農園の経緯

〇〇町の古館産直組合では、組合員の高齢化により出荷量が年々減少し産直の存続が危ぶまれていました。そうした中で、3年前に産直に出荷出来なくなった組合員の畑に農業体験農園を設置し、古館ニュータウンの退職後のシニアの皆さんに農業に親しんでいただきながら、農園で野菜を作って食べきれない野菜を産直に出荷してもらうという考えで「産直サポート農園」が開設されました。

「産直サポート農園」を設置したところ、当初想定していた退職後のシニアの皆さんの参加は少なく、子育て世代の母親や医療関係者の参加が多くありました。また地域的にも、当初想定した古館地区からの参加者よりも、古館地区以外の町内の参加や盛岡市内からの参加がありました。

このため、2年目からは、産直サポート農園を「古館農業体験農園」と改称し、農作業体験と参加者の交流を促進する活動が行われています。農業体験農園の具体的な実施状況は、産業政策監調査研究報告第3号「農業体験シンポジウムの開催状況」、第4号「古館農業体験農園の取組状況と盛岡市民の農業体験農園の意向」をご覧ください。

3年目は、古館農業体験農園の開設主体であった古館産直組合が解散したことから、新たに「CCCAふるだてファーム」を設立し「古館農業体験農園」が運営されています。特に3年目は、古館農業体験農園に隣接するCCCAふるだてファームの畑を利用して「畑の保健室」や「しわ農楽耕」の多様な活動が展開されてきています。

(※CCCAとは、Community Co-Creation Agriculture コミュニテイー共創型農業)

〇集いの開催と意義

農業体験農園は、これまでの市民農園と異なり、野菜作りのプロの指導を受けながら参加者全員が同じ野菜を作って交流しながらコミュニティーを作っていくものです。この形式の農業体験農園は首都圏で始まり大都市で取り組みが広まっていますが、〇〇県での実施例がないことから、県内の方々にとっては農業体験農園がどういうものかよく知られていません。

このため県民の皆さんに広く農業体験農園というものを知っていただくことを目的に令和4年1月15日に「畑からはじまる心地よい暮らしの集い」を開催しました。

集いでは自給自足の生活を実践したドキュメンタリー映画の「人生フルーツ」を上映し、畑のある暮らしのイメージを持っていいただくとともに、実際に〇〇町で畑を利用した活動を行っている団体の活動報告会を行いました。また〇〇町図書館と連携して畑のある暮らしに役立つ書籍の展示コーナーを設けました。

本報告書は、畑を利用して活動している次の4団体の活動報告会での報告内容を掲載してあります。

1.CCCAふるだてファーム ~古館農業体験農園3年間の振り返りと新年度の取組~、2.HATARAKU~畑多楽~ ~畑の保健室~、3.あそびこむ ~しわ農楽耕~、4.みんなの健康らぼ ~畑のある暮らしを体感して寄り添う医療~

農業サイドから見ると、畑は生産の場に過ぎませんが、農業以外の方々から見ると畑が保健室、遊園地、交流の場にもなるという、畑の新たな価値が見いだされています。

当初、農業を体験する場として始まった活動は、多様な参加者が集まったことから、参加者同士の化学反応が起きて、当初のねらいとは異なる展開となってきていますが、今後の住宅地周辺の低利用農地の有効活用につながる有意義な取り組みになってきています。

産業政策監

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