【産業政策監調査研究報告】第12号「における子実用トウモロコシ産地化の取組状況」(令和3年度実績)最終更新日:2023年03月27日
はじめに
〇〇町では、農業従事者の高齢化によるリタイヤにより、将来平坦地域で水田が大量に供給されてくると見込まれています。一方農地の需要者である認定農業者も高齢化が進み農地を引き受けるのが困難になってきています。(詳しくは産業政策監調査研究報告第1号、2号及び7号参照)
こうした中で、地域の重要な担い手となっている大規模農業法人や集落営農組織には、農地の貸地希望が多く寄せられていますが、これ以上水稲を栽培する水田として借り受けるのが困難で畑作物を栽培する水田として引き受けざるを得ないという状況になってきています。
水稲に代わるものとして、子実用トウモロコシは、水稲の1/20の作業時間で耕作可能な省力的な作物であり、地域の農地を大量に集積していく大規模農業法人や集落営農組織にとって、経営に取り入れていく必要がある作物と考えられます。
〇〇町では、令和2年度から「水稲直播及び子実用トウモロコシ普及促進会(事務局:農研機構東北農業研究センター)」(以下 普及促進会という)と連携して、子実用トウモロコシの実証栽培と肥育牛への給与試験を行っています。令和2・3年度の実証栽培と給与の結果は、次の通りです。
<令和2年度>
・子実用トウモロコシ 栽培面積 1.4ha
・平均単収 550kg/10a(水分15%)
(排水良好田の平均単収 741kg/10a、排水不良田の平均単収 437kg/10a)
・ラップサイレージ供給量 10t、堆肥還元量 100t
・肉用牛への給与 問題なし
<令和3年度>
・子実用トウモロコシ 栽培面積 2.8ha
・平均単収 608kg/10a(水分15%)
(排水良好田の平均単収 838kg/10a、排水不良田の平均単収 385kg/10a)
・ラップサイレージ供給量17t、堆肥還元量150t
・肉用牛への給与 問題なし
排水良好田では、連作により単収が向上し、普及促進会が目標とする単収800kg/10aが達成されてきていますが、排水不良田では、目標単収を大きく下回る結果となっています。
そこで、令和3年度は、令和2年度と同様に普及促進会とともに真空播種機と収穫機械の実演会を開催し、子実用トウモロコシの町内外への普及を図ってきました。
単収増に向けた試みとして、〇〇町で実証栽培している排水不良田の排水改善のために株式会社みちのくクボタ様のご協力でカットドレーンの施工を実施しました。また今後モバイルドライヤの導入を検討するためにモバイルドライヤの稼働状況調査を実施しました。
結果の検証を兼ねて普及促進会と共催で令和3年12月17日に「〇〇町における子実用トウモロコシ産地化検討会」を開催しました。検討会には、50ha以上の経営面積を持つ農業法人と集落営農組織14経営体が参加し、子実用トウモロコシ栽培への関心が高まってきていると思われました。
本報告書では、令和3年度の活動実績、カットドレーン、モバイルドライヤの稼働状況調査、実証栽培結果、検討会で報告した「〇〇町で子実用トウモロコシに取り組む背景とねらい」についてまとめてあります。
今後、子実用トウモロコシの栽培に取り組む方々の参考にしていただければ幸いです。
産業政策監
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